治療より予防 … ワクチン接種呼び掛ける
サイエンスカフェ 破傷風の研究
熊本保健科学大学 図書館・学術研究部主催の「サイエンスカフェ」が11月30日(火)、1300L講義室であり、大学院2年の志多田千恵さん(生物毒素・抗毒素共同研究講座)が「忘れられている破傷風」と題して研究発表を行いました。学生を含め計44人が参加しました。
破傷風は菌が体内に侵入すると毒を生み、舌のもつれや開口障害から重篤な場合は呼吸筋の麻痺によって窒息することもある感染症です。志多田さんは、破傷風菌を発見したニコライヤーや北里柴三郎博士の業績に触れながら、マッチ棒のような形態や特徴、4種類ある破傷風の分類、4段階にわたる病期などを解説しました。発表では、熊本県の破傷風感染者の90%以上を40歳以上の人が占めるというデータも紹介。志多田さんは「破傷風は治療より予防が重要で、抗体価の低下が顕著な成人へのワクチン接種の推奨や啓蒙活動が必要」と語りました。
質疑応答に応じる志多田さん